mit geliehener Ausicht

ピアノ

(1999)
10 min
Edition Juliane Klein

演奏

  • 世界初演: Martin von der Heydt ダルムシュタット夏季現代音楽講習会  1998
  • その他の演奏者:藤田朗子 井上郷子 Jan Gerdes
  • その他の演奏:ドイツ Tonhalle デュッセルドルフ /OAG -ホール東京/東京芸術大学

録音

  1. Livemitschnitt Darmstädter Ferienkurse (1998), Martin von der Heydt
  2. Nordwestradio/Radio Bremen, Jan Gerdes, Mitschnitt des Klavierabends vom 4.2.07 im Schloss Oldenburg
  3. CD Edition Zeitklang, Jan Gerdes, 2008

プログラムノート

「借りてきた風景と共に − 外界1+2」。
このドイツ語の曲名は「借りてきた風景と共に」という意味で、“借景”という日本語を翻訳したものだ。

この作品には3つのヴァージョンがある。1つはピアノソロ、2つめはクラリネットとチェロ、打楽器とピアノから成るもの、そしてもう1つが大きなアンサンブルである。それぞれのヴァージョンにおいて共通するパートは、同じ動きを引き継いでいる。各ヴァージョンは単に編成が異なるだけではなく、独立した作品となっている。

「Mit geliehener Aussicht」というピアノソロのヴァージョンは、このシリーズの最初に作曲したもので大きなアンサンブルの一部分にもできるように考えられている。ピアノのテクスチュアは、全体の要素のリニア・カウンターポイント(線的対位法)になっている。。
 これらの要素は、動機的に使われているのではなく、いつも違う形で現れる。最初には目立たなかったものが後で重要になったり、また、急に新しい要素が現れたり、中には1回しか現れないものもある。
要素は一定の決まった形に固定されていないため、類似の形に見えて、まったく別の要素であるいう場合もある。様々な形の間の類似と相違を慎重に比較して聴くことで、各要素のキャラクターが顕現してくるのである。
(Peter Gahn)