ink, colours and gold on paper II

アコーディオン

(2005)
10 min
Edition Juliane Klein

演奏

  • 世界初演: Eva Zoellner, アイスランド Keflavik 2005
  • ドイツ初演: Eva Zoellner ドイツ Kunsthaus Essen 2006
  • その他の演奏者:Andrea Carola Kiefer, Snezana Nesic
  • その他の演奏:Siglufjordur, Akureyri/アイスランド OAG-ホール/東京 立川舞台芸術フェスティバル デンマーク/コペンハーゲン/デンマーク王立音楽大学 

録音

  1. Eva Zöllner, 2006

Eva Zöllner, Tachikawa Performing Arts Festival 2005 © Zöllner/Gahn 2005

プログラムノート

「インク カラー ゴールド、紙の上 II」
この曲は、私の他の多くの曲と同じく、美術作品からの影響をうけています。
ポール・ゴーギャンの絵の素晴らしく深い色の様々な平面から、同じ様な平面を持つ音楽を聴きたくなりました。また日本の絵、例えば、洛中洛外図、源氏物語絵巻、宗達の作品などの、深い色の平面は私に強い印象を与えました。西洋のカタログにはこれらの作品の説明として、"ink, colours and gold on paper"と書かれていて、この曲のタイトルとしました。

背景の金箔の上に書かれながら、前景の金の雲(源氏雲)に隠されて、振動する様に見えるこの平面には、強いエネルギーがある一方、鑑賞者に限定的な考えや気持ちを押しつけることはないと感じています。背景の金箔はその上の色にも特別な光を当てます。一つの色である金の平面的な背景はどこかへ導くパースペクティーヴもなく、長く見ていると、その背景は非物質化して感じられる様になります。この効果は平らな壁、襖に囲まれている部屋にも経験出来ます。このような部屋に屏風絵が立っていると、空間の中に空間が出来、非常に特別な感覚が生まれます。

"ink, colours and gold on paper I"はアンサンブルの為の曲です。そこには強くて深い色がある平面を作る為に、3つの楽器グルプがあて、3つの層として重ねています。
この"ink, colours and gold on paper II"ではアコーディオンの特徴を使って、一つの楽器でこの様な音楽を実現しました。
アコーディオンという楽器には、ピアノと同じく右手と左手で別な事ができるだけではなく、様々な音色があります。この音色も重ねた音から作ってあります。
(Peter Gahn)